Digtal Domain
デジタルドメイン DCアンプ B-1a

定価 1,050,000円(税込)
最近雑誌では結構露出している、デジタルドメイン社のB-1aを取り上げてみました。
SharpのSM-SXシリーズ無き後、中堅、普及価格帯ではNmode、SOULNOTEと充実してきましたが、SXシリーズ3桁台の後継モデルとしては、SOULNOTEは指向が違い、Nmodeも非常にコストパフォーマンスが高く、Sharpの流れには載っているが、やはりSX300クラスの感じで使えるアンプが欲しいところでした。

今回デジタルドメイン社のB-1aに目が止まった一番の理由はSIT(静電誘導トランジスタ)の採用でした。過去に光城精工(旧電研ブランド)のSITを使用したクリーン電源でした。
クリーン電源もアンプですのでその時から注目していたし、当時よりSITでアンプがあればおもしろそうと思っていたので、注目したところです。

早速試聴してみました。
このメーカーはまだプリアンプを持たないという事もあり、プリの選択に困りましたが、ボリュームはついているので(フロントパネルのツマミがボリウム)、今回は強力な送り出しを誇る、SOULNOTEのDAC dc1.0からバランスとRCAでのダイレクト接続を行い試聴しました。
入力はHT01ver2.0からdc1.0、スピーカーはコンセンサスとサファイア、SP25(改)を使用しています。
デモ機が一台の為、BTLは試せませんでしたので、一台でバランスとRCAでの音質差をチェックしています。
まずはRCAでの接続ですが、第一印象はスピード感もあるし非常に滑らかで、リニアリティの良さが良く出ています。SX300SE(丁度修理依頼品がありましたので比較)してもスピード感でやや劣る感はありますが、気にになるほどではなく、逆に位相に関しては良い感じがします。
非常に上下素直に伸びたレンジを確保していますし、素性の良さはこの段階で見えます。
しかしながら、サファイアではそれほどでもありませんが、コンセンサスでは少し緩さを感じます。

次にバランス入力での音質ですが、こちらは鳴りがRCAに比べパワフルになります。
サファイアではさほど気にならなかったのですが、RCA入力の使用ではコンセンサスは鳴りきれず、
やや締まらない感じで線も太くなりましたが、バランス入力ではエネルギー感が増しながら楽器の線もキュッと締まり、定位もしっかりします。
BTLではよりしっかり鳴ってくれるであろうと言う事は安易に想像ができます。
バランス入力では一音一音に力があるので、1ビット機に比べると少し色濃い感じがしないでありませんがこれがデジタルドメインの音のキャラクターなのかもしれません。
ダイナミックレンジも広いし、コンセンサス、サファイアクラスを鳴らすにはバランス入力がいい感じです。

DYNAUDIOでもブックシェルフのSP25やC1クラスはバランスでは少し強い感じがするかもしれません。
特にC1では下のレスポンスに軽さが必要なのでRCAの方が程よく力が抜けて良いかもしれません。全体的に、現在扱っているSOULNOTEの音域の取り方よりもNmodeの方に近くワイドレンジ、フラットバランスで、帯域内に突出した凸凹も無く、至極普通なアンプと言えます。
素性が良いので使いこなしも比較的やりやすいのではないでしょうか。
付属の電源ケーブルはやややわらかく膨らむ方向ですし、これを交換するだけで随分切れとスピード感が増します。
フロントにメインボリュームがある他、背面パネルには片ch毎に調整できるアッテネーターがある。

フロントパネルの右側のパネルを開けるとBTL2台連結時に使用するパワースイッチが隠れている。

筺体は削り出しパーツを多用しており、中身のつくりも物量を投入されて、精巧に作ってある。作りだけ見てもこの価格は納得の内容である。この辺りは流石MADE IN JAPANならではだろう。

脚部はアルミ削り出しであるが底面にゴムが貼ってあるのが当店では残念だ。剥いでみるだけでも解像度、スピードが向上しそうだ。

インシュレーターも位置が変えられるなど細かい配慮がありますが、もう少し固めたいところです。(脚にゴムが貼ってある)試しに電源ケーブルをSOULNOTE純正の無メッキプラグ交換品に、足回りをジュラルミンのインシュレーターに変更しただけで、更に全体の線も絞れ、スピード感も出てきます。
高級機ではゴールドムンド、FM、オルフェウス、Sharpと続き、特徴的な切れとスピード感は当社の従来の流れからは、少しやさしい方に流れていますが、認めざる得ないまともなアンプです。
100万円とちょっとお高いですが、まじめにお勧めできるアンプの登場です。
昔、当店がお奨めしていたSX100の後継には十分な内容ですし、BTLではSX300と比べても良いくらいのパフォーマンスは得られそうです。
十分リーズナブルな価格かもしれません。

実は本レポートを書くのは結構苦心しております。と言うのも、(SHARPの1ビットもそうだったのですが)こういった至極普通な音がするアンプにコメントをするのは、レポートも至極普通になって面白く無いかと思います。特に鳴らすスピーカーも選らばないアンプですし、音のバランスもフラットで強烈な個性のあるアンプでもない。再生する楽曲にしても不得手は無いでしょう。
ですが『至極普通』と何度か書きましたがアンプは本来こうあるべきだと思いますし、当店では最高の褒め言葉と思っております。

2009.04.20 吉田