SOULNOTE
IntegretedAmprifier da3.0

メーカー希望小売価格 378,000円(税込)

生産完了

メーカー発表資料(PDF)

2014.9.7 レポート 竹田


SOULNOTE のフラッグシップ・ザ・インテグレーテッドアンプ da3.0 が9月20日に発売になります。
レポートが遅くなりましたが、一足先に製品版を視聴することが出来ました。

筐体はプリアンプLA10譲りのオールアルミパネルを組み合わせた構造(ミニマムストレスレスシャーシ)で、
見るからに響きの良さそうな作りです。
同社のCDトランスポート ct1.0と同じ(こちらはドライブユニットですが)方法で、
昔当社のトランスポート HT01Ver2.0でも似たような構造を使用していましたが、
シャーシを構成するパネルの接触面積を極力小さくすることで、ネジ締め後の構造物としてのストレスを極力小さくすることと、色んな機材でも言えますが、天板を外して聴くと音が開放的になりますが、隙間が出来る事でこれに似たような効果もあるのだと思います。

振動源である電源トランスの処理は、中央部にあるトランス(最大の震動源)をアルミ削り出しのベースに固定し、
下部から直接スパイクを立てトランスをダイレクトに設置するようになっています。
この構造の場合スパイクが中央部に集中するため、ct1.0のような比較的軽量なモデルの場合、
本体の操作ボタンを押すと本体が動いてしまうことがありましたが、sd3.0は見た目以上に重量が有るため、
ボタンを操作しても本体が逃げるような事はありません。

入力も多彩で、RCAx2 XLRx1 光x2 同軸x2 USBx1 と隙がありません。
入力が足りずに困ることはほとんど無いと思います。
スピーカーターミナルも大型になりYラグにも対応するようになりました。


豊富なアナログ/デジタル入力端子郡 バナナ/Yラグに対応するスピーカーターミナル

さて試聴です。
まずは外部のCDプレーヤーからアナログ入力で試聴しました。
一聴した瞬間に感じたのは、最近のSOULNOTE製品の流れをくむ高いS/N比です。
新製品を試聴する度にこの静けさに驚かされます。
SOULNOTEのアナログ機sa1.0Bは、小音量に特化した作りで、相当静かなアンプですがデジタルでもsa1.0Bに準じた静けさを持ちます。
音楽を聴く上でこの静かさは重要な意味を持ち、静かなほどノイズに埋もれて聴こえなかった細かな音(気配といって良いと思います)が聴こえるようになり演奏会場やスタジオの空気を感じる事が出来るようになります。
ステレオ再生を目指す場合、この気配(その場の空気感)を再生出来るかどうかは重要な能力になると思います。

レンジは広く高域、低域共にナチュラルに伸びています。
音色は同社のsa3.0Bに近く、アンプで色付けをするタイプではありませんが、やや中低域に厚みと溜めを持たせたバランスが楽しく、SOULNOTEのアンプらしい音色になっています。

駆動力も高く、常識的な設計のスピーカーならば全て鳴らしきる事が出来ると思います。
DYNAUDIOやB&W、最近の低能率、低インピーダンスのスピーカーも問題なく鳴らせます。
意外とJBLの様な大型、高能率タイプのスピーカーでも楽しそうです。

それから今回、既存のSOULNOTE製品オーナー様が最も気にする部分である、ボリュームのギャングエラーや小音量域でのボリューム調整の難しさも全て解消されており、極小音量域からギャングエラーの無い快適なボリュームコントロールが可能な点もうれしいです。

sa3.0Bと比較すると、完全な上位互換と考えていただくと分かりやすいと思います。
静けさ、パワー、扱いやすやを含め、sa3.0Bから買い替えても十分満足の行くアンプです。

da1.0と比較すると帯域バランスの取り方に違いがあります。
da1.0の弾むような弾力のある低域の魅力は薄くなりましたが、よりナチュラルで実質低域はda1.0よりも帯域が伸びています。
また、小音量再生が苦手でS/N比もそれほど高くないda1.0と違い、小音量再生にも強く大変使いやすくなっております。

次に内蔵DACですが、同社DACの最高峰sd2.0Bと同じDAC IC「PCM1792」を使用し、構成もsd2.0Bに準じた形で作られています。
sd2.0Bとの違いは、da3.0のアンプの構成上もありますが、PCM1792がシングル使用となり、電源部がsd2.0Bほど大きくないところです。
それから、sd2.0Bと同じくDACとしてはDSDに対応していないことは当社としては残念なところです。
24bit192Mkzには対応していますので、普通に使用するには現状全く問題ありませんが、
流行りですから対応して欲しいところです。

デジタル入力の試聴です。
アンプ一体型で、コンパクトに作られていますので、別電源部を持つsd2.0Bに比べて馬力は劣ります。
ですが、使用した感じでは、sd2.0Bの7〜8割くらいの能力はありそうです。
sd2.0Bは単品で35万を超えるDACですから、音がいいのは当然ですが、それにしてもda3.0のDACも頑張っています。
sd2.0Bに比べてやや押し出しが弱いものの、SOULNOTEらしい中低域の特徴もよく出ていますし、S/Nの良さもsd2.0B譲りです。
DAC部分単体で見るとsd1.7ですが、da3.0のアンプ部と合わせて作らてているのがよく分かる音で、
外部から他社のDACを使って入力するよりも、当然ながらよりSOULNOTEらしい中低域と張り出しがあります。
sd2.0Bからのアナログ入力だとちょっと濃い音になりますが、まとまりはそのままda3.0を使った方が良いです。

ヘッドホンアンプですが、おまけでは無くテキサスインスツルメンツ「LME49860」にディスクリートバッファーを組み合わせた本気のヘッドホンアンプを内蔵しています。

小スペースでハイクオリティを狙うのであれば、これ1台でかなり使えます。
sd2.0Bにct1.0,sa3.0Bで個体4個ですから、ct1.0とda3.0で半分のスペースで同じ位のクオリティで使えます。
「フラッグシップ・ザ・インテグレーテッドアンプ」と言える内容のアンプです。

9月生産分も、すでにご予約でSOULNOTEの在庫も残り二桁を切りました。
次回の生産が早くても11月ですので、ご検討中の方はお早めにご検討ください。